サックスのアンブシュアの話。
こんにちは。ざきちゃんです。
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渡米前、色んな人から
『アメリカの美容師は当たり外れが激しい』
『カラーも薬剤が全然違うから傷む』
と聞きまくっていた私は、伸びてもおかしくない髪型でアメリカに来ました。
そうするとアレですね…
前髪問題
今唇くらいまで伸びてるんですがクッソ邪魔です。
ヘアアイロンは船便で送っちゃったからあと1ヶ月は来ないし、かといって自分で散髪するのも恐ろしい。
過去何度も失敗してますからね。美容師にもいつも笑われてたし。
あと数センチ伸びれば耳にかけられるようになるはず…そうしたら今よりずっと鬱陶しくなくなるはずですが。
マジで切りたい。
ってか抜いてしまいたい。
そもそもちょっと長めのボブなので、楽器吹いてて息継ぎの時口に髪の毛が入ってくる絶妙な長さなんですよ。これもめっちゃイライラする。
結んでも絶妙に口に入る毛はありますからね…これが最近の一番のストレスです。
私は今日も平和に過ごしています。(にっこり)
「前髪」「伸ばしかけ」「アレンジ」でGoogle検索していた時に、なぜか竹内まりやの「チャンスの前髪」がヒットして、ちょっと笑いました。
このウザ長い前髪にチャンスが引っかかってくれないかしら。いや、チャンスの前髪ってそんな曲じゃなかったけど。
さて、前置きはこのくらいにして今日はちょっと真面目なサックスの話でも。
私はもともとクラシック出身で、学生時代、愛用MPはセルマー☆、ちょっとバンドレンAL3に浮気したけど、セルマーのコンセプトが出てからずっとコンセプト一筋!でした。コンセプトにレジェール3と1/4は最強。そう信じていました。すごい透き通った音が出るのよね。抵抗も少ないし。
最近はレジェールちゃんと選定してないし、そもそもメイヤーとかメタルMPも吹き始めてアンブシュア全然変わっちゃったから、以前のようにこのセッティングが最強!と言えないかもしれないけれど。
そう、今回はこのアンブシュアの話。自分なりにこの5年くらい試行錯誤してたことを書いてみようと思います。
アンブシュアとは、吹く時の口の形のことですね。ざっくり言うと。
サックスはどの教本でもどの先生でも大体
『上の歯はMPに当てて、下の歯はリードに当たらないよう下唇を巻いて吹きましょう』
って言います。私も言います。
そしてこのワタクシ、クラシック視点から見ても下唇すっごい巻いて演奏していました。
下唇のピンク色の部分すっかり巻き込んじゃってて、でもリードと唇との接地面が広いからなんか柔らかくていい音が出てる気がする(気のせい)。でもものすごい噛まないと音出ない。唇痛い。口紙必須。(口紙:下唇を歯から保護するためにクッションとして使うあぶらとり紙のこと。私は無印良品の物を愛用していました)
これが大学~卒業3年目くらいまでの私のアンブシュアでした。
そう、メイヤー吹き始めてもしばらくは下唇巻きまくってたんですよね~
道具は変わったけど音色が全然変わらない、しかもメイヤーくっそ吹きにくいやんけ!
音色変わらんならコンセプトでええやん!レジェールならずっと同じように吹けるしリード選んだり育てたりする手間が省けるやで~^^
それがジャズやり始めた時の私の感想でした。今思えばクソみたいな感想ですね。
そんなある日のレッスンで、先生からこんなことを言われます。
「君、MPだけで音出せる?」
またまた先生何の冗談を…音大卒の人間ですよ?MPだけで音出すなんて余裕ですy…
『出ねえ…』
これ、本当にショックでした。
隣で先生はMPだけで1オクターブめっちゃ綺麗に吹いてるのに、私はリードミスの音しか出ない。サックス始めたばっかりの時によくなる『キャー!』とか『ピー!』とかいうすんごい高い音です。耳が痛くなる音。
結局その日のレッスンではMPだけで音は出せず、もちろん音階なぞ吹けませんでした。
『楽器付けるとちゃんと音出るのに、なぜMPだけだと音が出せないのだ』
レッスン帰りの電車内で『人間とはなんぞや』みたいなことをずーっと考えていました。
狙った音はちゃんと出せるし、音程だってコントロールできるし、ビブラートだってかけられるし…
帰ってからもひたすらMPだけで練習しました。超負けず嫌いな私。次のレッスンまでに絶対MPだけで音階吹けるようになる。いいか、絶対にだ。
リードを変え、ネック付けたまま音出して、音出しながらネック抜こうとしたり(コルクがキツくて断念)しかしここで先生にいつも言われていた言葉を思い出します。
『君もめっちゃ噛んでるね。すごい唇巻いてるし。クラシックの人はそもそもアンブシュアの作り方が違うからなあ~』
『噛みすぎか…!』
サックスを持って早十数年。ここにきて根本を見直しました。口めっちゃ緩めて唇巻かないようにしたら
『こんなん唇巻いてない。巻いてないに等しい。絶対音出るわけな『音出てる…!音階吹けそう…!』
正確には下唇巻いてるんですが、あくまで下の歯がリードに当たらないようにクッションとして使っているだけ。リードとの接地面は遥かに少なくなりました。もちろん時と場合によりますが、その話はまた次の機会に。
こうして『下唇を巻かないアンブシュア』『下顎の力を抜くアンブシュア』に移行していきました。
これ、文字で見るとすごい伝わりづらいんですが劇的な変化です。
そして人間十数年間の習慣はそう簡単に変えられない…!
気付くと下唇巻き込んでグッと噛んじゃうので、しばらくは鏡と睨めっこして『うわ今日の肌調子悪すぎ』なんて思いながら悪戦苦闘していました。今でもまだアンブシュアにはかなり気を遣います。
こんな流れで、私は少しずつ自分なりのジャズのアンブシュア・音色を作っていっています。まだ途中です。
ただ、以前よりアンブシュアの自由度が高くなったおかげで、前まで気付きもしなかったことが色々見えてきました。それはまたの機会に。
とにかく今回言いたかったことは、歯並び・口の大きさ・舌の長さ・唇の厚さなど、個人差がものすごく自分と同じ人はほぼ100%いません。アジア人でさほど唇も厚くない私が、チャーリーパーカーのような魅力的な唇のアメリカ人と同じアンブシュアで吹けるわけがないんです。
ただ、自分の体に負荷がかかるアンブシュアだけは間違っていると思います。
顎が痛くなって顎関節症になったり、下唇から出血したり…
自分にピッタリなアンブシュアを早く見つけることが、成長していく上で一番の近道だと思いました。
まあでもぶっちゃけ一人でやってたらそんなこと気付かないし、思い付きもしなかったので、先生まじ神。
べ、別に下唇巻き込むのが嫌いって言ってるわけじゃないんだからねっ!
これは『リードの番号大きい方が上手』みたいな『唇巻き込まない方がエライ』みたいなことを言ってるわけではないことを明記しておきます。まじで。
というわけで、長くなりましたが今日はこの辺で。
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